2018/1/16

自分の身体や感情をコントロールして

ーうれしくてうれしくてー 遊びで育つ子どもたち

9月の運動会や10月の親子遠足といった行事のあとの竹の子幼稚園は、それはすごいものです。子どもたちの走る姿にも勢いがつき、自分の身体をコントロールしてたくさん遊びます。バランスよく走ったりとんだりできるようになるのが、年少後半から年中のころ。ケンパやスキップに関心を持ち、年長さんの姿に憧れて模倣が始まります。リズムに合わせて身体が動くようにもなります。立位や歩行に援助のいる子どもたちも、リズムを感じて身体を動かすことを楽しみます。そして笑顔がぐーんと増えて、保育者や友だちと一緒にいろいろなことへチャレンジしていくのです。

それぞれの段階を踏んで成長する子どもたち

全身をしっかり働かせて
全身をしっかり働かせて

身体を動かすリズムが内面で作られていくことで、ケンパやスキップといった動きが自然体で出てきます。そこに身体のバランスをとる力がつくと全身を働かせられるので、側転も何なくこなすようになります。
ある日の年長さんのリズムあそびのこと。二人組を作り、ピアノの伴奏に合わせて歌いながらのケンケンパあそびをしました。ダウン症のHくんとK子ちゃんが二人組になりました。ケンケンパ ケンケンパはうまくいくのですが、ケンパ ケンパ ケンケンパでどうしてもリズムが合いません。途中でリズムがバラついてしまいます。するとK子ちゃんがHくんの耳元で「Hくん、あのね、声出して歌わんでいいよ。心の中でケンパ ケンパ ケンケンパって言えばひっかからんよ。」と話しているのです。
そうなのです。歌いながらリズムにのってバランスよく動くことは、けっこう大変なのです。本園の子どもたちは年少、年中、年長と段階を踏んで成長しています。しかし、みんな一緒ではありません。そんなとき、子ども同士のかかわりが何気なく繰り広げられています。K子ちゃんとHくんは、お互いに「うんうん」とうなづいてケンパあそびを楽しみました。

ぐるりと笑顔で一回転
ぐるりと笑顔で一回転

鉄棒では、年長さんは前まわり、足ぬきまわり、そして逆上がりと楽しそうです。年少、年中さんも鉄棒に関心を持つようです。運動会の後に鉄棒が好きになり、逆上がりが苦手だった子どももチャレンジします。友だちに支えられたAちゃんが、手に豆をつくってがんばっています。保育者に「もうちょっとだよ。もうちょっとだよ」と知らせにきてくれます。「やりたくない」と言っていたのがウソのようです。運動会ではできなかったけれど、運動会があったから鉄棒をやってみる気持ちが育ったのでしょう。うんていも大人気です。

育つ力は子ども自身が持っている

子どもたちの喜びがつまった作品たち
子どもたちの喜びがつまった作品たち

11月になると、年長さんは1.5kgの土粘土を使った作品作りに取り組みます。これまでは少し難しい制作活動だと「わからん」「やってやって」と、なかなか落ちついて完成まで取り組めなかったYくん。このころになると「もうちょっとだな。ここむつかしいなぁー。あっ、わかった!!」などと周りの友だちの様子も参考にして、落ちついてきました。「すごいね。ここはこんな風にしたらどうかなぁ」といったアドバイスも「うんわかった、そうか」と喜んで聞き入れ、自分でやろうとします。年少、年中さんも土粘土あそびに喜んで参加しています。
自分の身体や感情をコントロールしてバランスよく育つには、時間をかけて全身の働きを使っていくことが大切です。遊びを中心とした楽しくて心踊る体験が、子どもをぐんぐんと育てていきます。育つ力は子ども自身が持っているのです。

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