2013/2/8

“だいこん”さん、ありがとう

初めて“たくあん”作りに挑戦

実はとてもぜいたくな“たくあん”

発酵食品には、短期間でできあがるヨーグルトなどと、長期間を要する味噌や醤油、たくあんなどがあります。ヨーグルトは、乳酸菌が最も増えやすい快適環境下であれば、わずか一日で食品として完成します。これに対したくあんなどは、低温で非常に塩辛いという厳しい環境の中を、微生物が生死を繰り返しながら長時間耐えて生き抜くことでできあがります。

漬ける前にしっかり洗います
漬ける前にしっかり洗います

そのため、これらのいわゆる日本型長期発酵食品は、微生物生成物質がとても豊富であると考えられています。なかでもたくあんは全く加熱しないので、野菜の中の酵素もそのまま丸ごといただける、実はとてもぜいたくな食べ物と言われているのです。

自分たちで作った“たくあん”のおいしいこと!

竹の子幼稚園では、だいこんを育てています。夏、全園児が3粒ずつ種をまきました。暑い日や寒さを乗り越えてとても元気に育っただいこんは、味噌汁はもちろん、ポトフや炊き込みご飯など、連日の給食に使っています。

そして今年は、初めて“たくあん”作りに挑戦。11月、全園児で畑から穫ってきただいこんを冷たい水で洗ってそのまま食べてみると、子どもたちから「甘いねー。おいしいねー」と声がこぼれました。そして、生でも甘くて美味しいだいこんを「どうして干すの?」と不思議な表情。
「お日さまに干して冷たい風をあびると、この“だいこん”はしわしわになっていくよ。しわしわになってもっともっと強い“だいこん”になるよ」と話をすると、子どもたちは毎日“だいこん”をながめ、しわしわになっていく様子を楽しみました。その間、りんごや柿、みかんの皮、くちなしの実も干しました。

“しわしわだいこん”を漬け込みます<BR>
“しわしわだいこん”を漬け込みます

2週間ほどで大変身した“しわしわだいこん”を漬け込む日は、年長児がとても張りきってくれました。“しわしわだいこん”を、ぬか、塩、砂糖、干したりんご、柿、みかんの皮、くちなしの実をしっかり混ぜたものと一緒に漬け込み、おもしをのせて約1カ月……。

お日さまに干すとしわしわに
お日さまに干すとしわしわに

初めてにしては見事な“たくあん”ができあがりました。樽から出すときは独特のニオイがしますが、そのたくあんの何とおいしいこと! どのクラスの子どもたちもパクパク食べます。1月の誕生日会では、ご家族の方々にも食べていただきました。
だいこんを育て“たくあん”作りまでやってのけた子どもたち。子どもたちが「自分の力で食べて生きていけるような自信」も育てたいものです。

ホームへ先頭へ前へ戻る