2012/3/19

遊びにのめり込める

全身を使って日々成長している子どもたち

文科省の毎年の調査で、このところ小中高生の運動機能が落ち続けていることが分かってきました。それは、すでに幼児期から始まっていると指摘されています。

子どもたちの基本的な運動能力が低下している?

山梨大学教育人間科学部教授の中村和彦先生の調査によると、今の5歳児の運動能力は25年ほど前の3歳児とほぼ同じ、小学3・4年生になると5歳児並だというのです。(これはスポーツではなく、走る、跳ぶ、投げるといった基本的な動作の発達を運動能力の一部と解釈した場合です)

走るのは先生にだって負けないぞ!
走るのは先生にだって負けないぞ!

本来、子どもは年齢が上がるにつれて活動範囲が広がり、活動の量も増加します。そうして運動能力は高まっていくのです。しかし最近の子どもたちには、そうなっていかない日常生活があるのではないかと中村先生はいいます。ここ数十年、子どもたちの生活で劇的に変化したのは、住環境などによる家庭での過ごし方です。特に、思う存分に外遊びができる場所が地域からなくなってきています。

幼児期から多様な動きを繰り返し経験することの大切さ

竹の子幼稚園ではあまり見られませんが、データ上ではびっくりするような理由で大ケガをする子どももいます。例えば、走っていて目の前の障害物を避けられずぶつかって骨折する子、顔に向かって飛んできたボールを避けないどころか、目をつぶることもできずにケガをしてしまう子もいるようです。

縄跳びでジャンプ!
縄跳びでジャンプ!

「そんな当たり前のことができないなんて、ありえない。どうして……」と驚く方もいらっしゃるかもしれません。しかし、当たり前に思える身のこなしや動きであっても、幼児期から生活の中で繰り返し経験しておかなければ、当たり前のものとして身につけることはできません。幼児期に多様な動きを繰り返し経験しているかどうかは、その後の体の発達に重要な影響があるのです。

のめり込むことが、関わりを広げ、運動量を増やす

竹の子幼稚園で毎日繰り広げられる子どもたちの遊びを見ていて「この遊びこそ、さまざまな動きを身につけ、運動能力を高めていく大切な活動なのだ」とつくづく思います。サッカー、野球、体操、水泳などのスポーツをすれば良いのではありません。スポーツは種目ごとに中心となる動きが片寄ります。しかし、砂遊び、鬼ごっこ、ジャングルジム、ブランコ、すべり台、なわとび、ドッヂボール、リレー、かけっこなどの遊びは、多様な体の動かし方があるので全身の運動量が多くなります。走ったり、跳んだり、引っ張ったり、まわしたり、投げたり、しゃがんだり、のばしたり、ちぢんだり、立ち止まったり……。子どもたちは、実にいろいろな動きをしています。しかも、その動きは予想できないような順番、ペースで出現します。そしてそれらに対応して動くのです。
 

さまざまな動きが、運動能力を高めていきます
さまざまな動きが、運動能力を高めていきます

子どもたちは、自分でその遊びに参加することを決めています。自発的な遊びのスタートは充実感につながり、楽しみにつながり、意欲につながり、喜びとなっていくのです。「のめり込める」ということは、遊びの時間が増え、関わりが広がり、更に運動量が多くなっていきます。結果的に、十分に体を動かすことができるのです。子どもたちは仲間と一緒に模倣し合い、刺激し合いながら、全身を使って日々成長しています。そのプロセスにしっかり寄り添いたいものですね。

ホームへ先頭へ前へ戻る