2019/10/15

子育てする支え合い

今、幼児教育の無償化について考える

さて、2019年10月からいよいよ幼児教育の無償化が動き始めました。これは子育て世代の願いであり、私立幼稚園として長年、国に働きかけてきた願いでもあり、歓迎すべきだと受け止めています。しかし、この「無償化」には、多くの問題が見え始めています。

ヒトはずっと助け合って子育てをしてきた

さつまいも掘り
さつまいも掘り

そのひとつが「保育の質」の低下です。園庭なし、マンションの一室であっても、保育者の数においても基準を下げ、もはや「預かりさえすれば何でもいい」状態になりつつあります。また幼稚園での預かり保育は、満3歳・2歳からの保育といったように、低年齢からの長時間保育の一般化が進んでいます。
この方向性は、本来人間は群れで共同して子育てをする特徴をもって進化してきたという、生み育てることを社会が包み込んでいくことを否定しているように感じます。ヒトが出現した20万年前は、多くの時間を狩猟社会として暮らし、その後は農耕・牧畜社会を含め、ずっとコミュニティー全体で助け合って子育てをしてきたという歴史があります。こういったことから、人間社会の急激な変化の中で広がった個人主義的な環境変化が、子育てが困難という現代の問題を生んだという指摘があります。

子育て支援は「支え合いのための応援」であるべき

あちこちで子育て支援が始まり、自治体の多くがそのための予算を増額しています。しかし、その子育て支援がサービス化していく傾向が進んでいるようで、不安を感じています。その中での幼児教育無償化は、子ども・子育て支援の本来の理念から大きく外れていくのではないでしょうか。

みんなでやってみよう
みんなでやってみよう

子育て支援は、子育ての肩代わりのようなサービスではなく「子育てする支え合いのための応援をする」ことが、大きな役目をもって進まなくてはならないと思います。竹の子幼稚園では、20年余り前から親子の遊ぶ会、未就園児の親子の子育て広場、そして園の行事の多くを保護者・家族のみなさんに開放し、いつでも親子や家族・地域の人々が集い、共に支え合う場となれることを願って園運営をしています。
今後、ますますこうした支え合える子育て支援が必要であり、便利さだけが優先されたり、子育てが個人主義になったりしない努力が重要になっていくと考えています。子どもたちが、たくさんの人間的なふれあいのある体験を積んで育っていくことができることを心から願っています。

親子で遊ぶ「みんなで遊ぼう会」の詳細はこちら
⇒ http://www.take-noko.jp/education/2010082511443883.html
「みんなで遊ぼう会」の日程は行事カレンダーをご覧ください
⇒ http://www.take-noko.jp/calendar/index.html

未就園児の親子の子育て広場「いない いない ばあ」の詳細はこちら
⇒ http://www.take-noko.jp/news/2019030613420464.html

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