2013/10/15

知的教育って何?

知的教育というと、すぐに文字や数など、ある領域の内容を教えることだと思われがちではないでしょうか。竹の子幼稚園では、遊びを中心とした生活の中で「ひと」や「もの」との関わりを通して、たくさんの知的教育がなされていると考えています。

竹の子幼稚園での知的教育

例えば、砂場で四方八方につくった水路をつないで水を流す「水迷路づくり」の場面でのことです。子どもたちは、砂に直接水を流してはすぐに浸み込んでしまうことに気付き、パイプを使うことを思いつきます。しかしパイプがしっかりつながれていないと、そこから水もれが起きて……さあ、どうする!? という具合に、多くの発見をして新たな発想を生み出し、学んでいく様子が見られます。

体験から新たな発想が生まれます
体験から新たな発想が生まれます

大型積木で遊んだ後の片付けでは、四角、三角、長方形といったいろいろな形をどのように積み重ねたらいいかを体験的に学びます。安全を確かめながら、片付けが楽しい遊びに発展するのです。こうしたことを通した友だちとの関わり合いによって、子どもたちの生活はさらに広がっていきます。

体験を通して学ぶ子どもたち

気づくことを大切にする
気づくことを大切にする

遊び以外の場面でも、日々さまざまな学びが生まれています。給食の当番活動では、デザートの数を確認して配膳もれに気づいたり、汁をこぼさないように運ぶことを工夫したりします。
また、竹の子幼稚園の各保育室や手洗い場、通路には鏡がついてます。歯みがきのときには、口のまわりがきれいになっているか「鏡を見てみよう。きれいにできるかな」と声をかけ、トイレの後には「下着が見えていないかな」と声をかけます。

トイレのスリッパも、生活の中で「次の人が使いやすいように」ということに気づき、学べるように援助しています。そうすることで「一足」ということを意識できるようになるのです。年少さんは、スリッパを左右関係なくどんどん並べてしまいます。しかし、年中・年長さんになると「一足」を意識して間隔をあけて並べてくれます。

こうしたこと全てが、知的教育につながっています。「こういうときは、どうしたらよいか」を生活の中で見つけ、自分で気をつけられるようになってほしいと願っています。年少さんは、これから体験的に学んでいくことでしょう。

生活の中での知的刺激

生活の中で体験的に学ぶ
生活の中で体験的に学ぶ

時々、子どもたちが歯ブラシやコップ洗いのお手伝いをしてくれます。これは「お手伝いしたい」という子どもの気持ちを受け入れてのことです。あるときは、三人の女児が腕まくりをして大喜びでした。以前からそのうちの一人が、保育者のこの仕事を興味深く見ていて「このお仕事、わたし知ってるから」と言いました。「このカゴをここにおいてね。どうしてかっていうと、消毒する前に水切りするんだよ」と他の二人にも説明してくれたのです。

子どもは、私たち保育者のすることにとても関心を持っていて「どうしてそこにおくの」「どうしてそうやってやるの」などと聞く子どもには、可能な限り丁寧に答えるよう努力しています。また私たちの言動は、子どもにとって大きな知的刺激になることを強く認識し、責任の大きさを感じています。

竹の子幼稚園では、個別支援を必要とする障がいのある子どもたちも一緒に生活しています。子どもたちは生活を共有することで、人間の尊厳としての命の平等性を体験的に感じる偉大な知力を持っていて、ごく自然に関わり合っているのです。
さて、知的教育とは何でしょうか。みなさんはいかがお考えでしょうか。

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