2019/6/18

コミュニケーション力の基礎

Iちゃんの超難問クイズ!

3歳児は自分中心の時期

幼稚園では今日も、笑って・泣いて・遊んで・けんかして・仲なおりしてと、子どもらしい生活が展開されています。さて私たちは、子どもたちの発達をわかりやすくお伝えするときに「3歳の頃は自分中心の時期なんですよ」とお話ししています。ちょっとわかりにくい難しい表現ですが、そのことをうまく描き出してくれる、可愛らしいエピソードを一つご紹介します。

この動物はなんでしょうか?

ある日の事です。園庭の柿の木の下のベンチに座っていると、年少のIちゃんが満面の笑顔で近寄ってきて「えんちょう先生! クイズだよー。この動物は、何でしょうか?」と話しかけてきました。その後、ジェスチャーとか鳴き声とか、そんなヒントが続くものだと思い、じっとお顔をみながら待っていました。しかしIちゃんは、笑顔のまま「なーんだ、なんだ……」と言ってるだけで、私の答を待っているようです。
まさかノーヒント?!「えー難しいよ、わかりませんよー」とヒントをもらおうと助けを求めるのですが、Iちゃんは満面の笑みで「えーわからないの~? こ・た・えは、ゾウでしたー!」「えーヒントなしでは、わからないよー」と悲鳴をあげる私。すると「じゃあ、次ね。この動物はなんでしょうか?」と得意気に第2問。「えーわかりません」「♪うふふ♪ こたえはライオンですよ」と大満足!!

先生、見ててね
先生、見ててね

コミュニケーション力が育つ基礎

大人の私からするとムチャクチャなクイズですが、Iちゃんが3歳児だと考えると「いかにも3歳児」らしい姿です。3歳は、自分と他人の境界がまだまだあいまいで、自分中心のものの見方をする時期。つまりIちゃんの頭の中でイメージされているゾウやライオンは、Iちゃんにははっきり描けているのに「えんちょう先生には、それが見えない」ということが想像できないのです。3歳児の『自分中心』というのは、まさにこの他者視点や客観的な視点が全く存在しない「私の見ているものを相手も同じように見ているはず」という認識です。

子どもの目線に合わせて
子どもの目線に合わせて

この3歳児期に、その子のペースを大切にしながら、ユーモアタップリにつき合ってくれる大人がいることはとても大切です。子どもたちはやがて、自分の力でともだちとの関わりを広げていきます。この時期の体験が、相手の思いをくみ取ったり、自分の思いが伝わるように努力できる、コミュニケーション力を身につけた人として育つ基礎になっているのです。子どもたちは幼稚園で毎日、人としての基礎を学び合っているのです。

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