2014/6/17

泣く!!

子供の心の動きに敏感になる

小さい子ども(乳幼児)は、よく泣きます。特に4月5月のころの幼稚園は、年少さんのどのクラスでも泣き声が聞こえてきます。子どもが泣くと、お母さん方はとても心配しますが、まだ十分に言語が発達していない乳幼児にとっては、大切なコミュニケーション手段のひとつなのです。

泣く理由を考える

子供はよく泣きます
子供はよく泣きます

乳幼児期には、園でも家庭でも子どもの“泣き”への対応が頻繁に求められます。ご家庭では、とにかく泣き止ませることを最優先にお考えになられると思います。それは当然です。しかし、泣いている理由に合わない対応になってしまい、ますます激しくなってしまうこともご経験されているのではないでしょうか。
はじめてのお子さん(第1子)の場合は、子どもが泣くと、どちらかといえばネガティブなものとして捉え、あたふたしてしまうことも多いかと思います。しかし、二人目、三人目のお子さんでは、不思議と泣く理由を推察できることが増えてくるのではないでしょうか。
私たち保育者は、泣き方や泣くに至った状況等をとらえながら、その子の“泣き”に対してかかわっていきます。今回は、具体的な様子をひとつ紹介します。

『新入園後の不安な“泣き”への対応の様子』

Aちゃんが鞄を背おったまま、靴箱の前で泣いていました。他の子どもは次々と靴を履き替えて部屋に入り、保育者の援助をうけながらシールを貼ったり、ノートやお手ふきタオルを鞄から出しています。Aちゃんはその様子をチラチラと見ていました。
「Aちゃんおはよう!」「ここがいいの? どうする?」と保育者が近寄って声をかけると、一瞬泣き止みかけたのですがすぐに大泣きになってしまいました。保育者はAちゃんを気にかけながらも、他の子どものところに行きました。するとすぐに泣き声は小さくなり、保育室で遊び始めた他の子どものことが気になる様子。ここでタイミングよく保育者が「靴を履き替えようか」と誘いかけて、泣きながらも上靴に履き替え保育室に入ることができました。
シールを貼り終え、朝の支度は自分でできましたが、保育者のところに近寄ってまた泣き出しました。保育者がハンカチを出して涙を拭いてあげています。声をかけるというよりも、涙を拭きながらAちゃんの様子を見ていました。
すると外遊びから元気に戻ってきたBちゃんが「どうしたの」とAちゃんに声をかけました。泣いているAちゃんに代わり、保育者が「Aちゃん、ちょっと泣きたい気分で〜す」と代弁しました。「ふーん」とBちゃんは部屋での遊びを始めます。それをずっと目で追っているAちゃん。時々、泣き声を上げながらも確実に泣き止む雰囲気を漂わせています。
しばらくそのクラスから離れ、少ししてからもう一度覗いてみると、Aちゃんは笑顔で保育者のお膝に入り、ままごとコーナーで他の子どもと一緒に過ごしていました。

“泣き”の状況をとらえる
“泣き”の状況をとらえる

子どもの強さを信じる

ほとんどの場合、保育者はいちいち泣いている原因に言及しません。「悲しいよね、ママに会いたいよね」などと声をかけることはありますが、なぐさめることはほとんどしません。子どもの今の心情に寄り添って気持ちを受け入れ、言葉少なに見守りながら、子ども自身の心の動きに敏感になります。
幼稚園に入園すると、家庭とは違う新しいところで同年令の子どもたちと集団で生活をします。その中でたくさん心を動かし、いろいろな体験をして、人として成長していく準備をするのです。コミュニケーション能力が育つにはこうした小さな積み重ねが大切です。子どもの強さを信じてしっかりと育てていきましょう。そして、ご家庭と幼稚園がしっかりと理解し合い、協力し合って子どもを安心させましょう。保護者のみなさんはいかがお考えでしょうか。

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