2013/8/20

トイレのスリッパが語ること

わぁ〜たいへん!!

ある日のことです。2階にあるトイレの前で、プール遊びから戻って来たばかりの年長の女の子が大声をあげました。「わぁーたいへん! なんてこった! だれか手伝ってよ!」と……。そっとのぞいてみると、トイレのスリッパがグチャグチャになっていました。2人の女の子が駆けつけて、3人で手際よく揃えはじめます。

靴はそろえてね
靴はそろえてね

2階のトイレは両方向から使用できるようになっているので、スリッパも両方向から使いやすいようにしなければなりません。揃えてあればよいだけではないのです。3人であれこれ数を合わせ、スリッパの大きさを考えてのお仕事。
すると「さっきね、プールにいくとき、すずらん組がトイレにいて、すみれ組もきてたよねー」「それからどんぐり組の子もいたし、あっ、あじさい組の子もいたし」などとスリッパが揃っていない状況をあれこれ分析するような会話が……。そんな話をしながらいつの間にかきれいに揃え終わり「あーきれいになった。よかった」と3人は満足気に立ちあがりました。

私が突然「ありがとう! きれいに揃ったね」と声をかけたので、少しびっくりした表情になりましたが、すぐに嬉しそうにいろいろ話しかけてきました。「園長先生いたの〜」「年中さんってね、スリッパちゃんとできる子とできん子がいるよ」「年長でもできん子いるけど、まぁだいたい揃えてるよね」などなど。「揃っていると履きやすいよねー」「そう! そう!」などと口々にしながら、実にいきいきとそれぞれにクラスへ戻っていきました。

みんなで生活することでも育っていく
みんなで生活することでも育っていく

子どもの成長は経験の積み重ね

幼稚園は年次ごと、クラスごとに活動が計画されています。しかし、子どもたちはその活動だけでなく、みんなで生活する3年間で大きく育っていくのです。年長児はそこに保育者がいなくても、準備・片付けはもちろん今回のように気づいたことに立ちどまり、必要な判断をして行動することができます。次第に子ども同士でも生活が運べるようになり、かなりのことをやってのけ、びっくりすることも。
「○○しなさい」「○○はこうですよ」といった保育だけでは、遊びをつくり出したり仲間と共に生活を広げたりといった、子どもの喜びや力は育ちにくいんだろうなぁと思います。

子どもの成長・発達は積み重ねです。運動会や親子遠足などの大きな行事を体験することで、園生活の内容もさらに深まり充実してきています。スリッパを揃える子どもたちの姿を見ながら、豊かな経験と仲間づくりのできる幼稚園として更に努力したいと改めて思いました。

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